旅日記,随想,俳句など…

屋久島紀行4

第四日(10月4日)

 朝食は7時から頂く.考えてみればこのホテルで初めての朝食となる.イカの刺身,シャケ,昆布の佃煮,卵焼き.味付け海苔,サラダ,湯豆腐,白菜のみそ汁,漬け物があり,いつもの朝食に比べて豪勢である.

 朝食後,飛行機の出発(午後13時30分)までレンタカーを借りて島内をドライブすることにして,昨日のレンタル屋にて電話をかけてみる,グリーンホテルに宿泊していることを告げ小型の車を申し込んだ.開店は9時からであるが,9時前に店に来てくれるとのことである.8時40分に部屋を出てチェクアウトを済まし,ホテルの玄関から出てすぐ前のレンタル屋に行こうとすると駐車場で呼び止められた.ホテルのロビーでレンタルの契約と契約上の注意点の説明を受けた.レンタル料が3150円,保険が1000円で合計4150円であったが,4000円でよいとのこと.たった150円で幸せな気持ちになる.幸せになるというのは何と案外簡単なことであるのかもしれない.島を一周つもりであったが西側の道路の一部が道幅が狭く,電波も届きにくいのでなれない人は行かない方が無難であるとの忠告を受け,素直に島の一周ドライブは諦めた.車は,空港の駐車場に乗り捨ててドアは鍵を掛けないで,鍵をダッシュボードの中にガソリンの満タン証明書と一緒に入れておいてくれればよいとのことであった.鍵を掛けないことに驚いていると,この島では未だかってそのようにして盗難などが起きたことはないとのことであった.車は軽自動車であった.車の運転に慣れるため,道路が細くなる西の端まで行くことにした.そこには名瀑100選の一つである大川の滝(写真30)がある.高校生が見物に来ていた.
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写真30.名瀑百選の一つ大川の滝

 道路を走っている車は軽自動車が圧倒的である.周囲が130キロメールしかないので,軽自動車で十分なのかもしれない(登山のために利用したタクシーはセダンの普通車であったが).大川の滝からの帰りに本富(モッチョム)岳を撮るために車を道路の脇に止めてカメラを向けた(写真31).モッチョム岳(940メートル)は名前も面白いが,写真のように素晴らしい山である.機会があれば登ってみたい.
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写真31.海岸通りから観た本富(モッチョム)岳

 「ポンタン館」というお土産物屋の駐車場に車を止め,トローキの滝(写真32)を見に行った.道路を横切り,林の中を海の方に進んで行くと林が開けている.振り返ると,海に大量の水を落としている滝が見えた.轟(とどろき)の滝という意味のようだ.
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写真32.トローキの滝

 ポンカンとタンカンがこの辺りの特産物であるようだ.「ポンタン館」という土産物屋の名前はこの2つの頭をとった物らしい.「ポンタン館」に入ってポンカンとタンカンのジュースを飲んだ.美味しい.研究室へのお土産を買い,店員に千尋の滝への道を聞く.道がそれほど広くないということを聞いて,家内は千尋の滝へ行くことを拒否した.仕方がないので,一人で千尋の滝の展望台まで行き,写真を撮った(写真33).ホテルで見たビデオでは水が轟々と流れていたが,水量はわずかで迫力に欠ける.今は水量の少ない季節なのであろう.
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写真33.千尋の滝

 「ポンタン館」で家内を拾い,あまり時間はなかったが,屋久島空港を超えて宮之浦までドライブすることにした.宮之浦は,我々が宿泊したグリーンホテルのある安房より,家が密集しており街といっても十分なほど賑わっていた.屋久島高校もあった.帰りにスーパーにより商品の種類や値段を見た.安房で山の食料を買い込んだスーパーよりは商品が揃っている.お酒も置いてある.ここで食料を揃えるべきであった.野菜などは福岡に比べると割高である.サバの生干しがあり,珍しかったが買わずに出て来た.

 屋久島空港のすぐ前のガソリンスタンドで給油して満タン証明をもらい,駐車場にいわれた通りに車を乗り捨てて,空港の建物に入った.12時半であった.5分ほどしてチェックインを済ませ,リュック2つと紙袋(登山靴の入ったもの)を預けて,昼食を取ることにした.シーフードピラフ(780円),枝豆(400円),海老フライ(250円),瓶ビール(500円)の食券を自動販売機で購入し,二人で食べることにした.最初の夕食で食べ美味しかった鹿肉のタタキがあったが,山で可愛いヤクシカを何匹も見たあとでは食べる気にはならなかった.食券を窓口に渡すと,33番の木札をもらった.しかし,注文したものがすべてバラバラに出来上がり,その度に窓口で受け取るのであるが,この木札はほとんど役に立たなかった.何のチェックもない.もっとも,大きな所でもないので,間違いようがない.

 売店で屋久島の案内所を一冊買った.程なく鹿児島からの飛行機が到着し,20分〜30分程度で搭乗ということになり,飛行機に乗り込んだ.これで屋久島ともお別れである.また何時来ることが出来るか分からないが,もう一度来たい気持ちが残った.

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